2007年 苫小牧研究林にて表土はぎ取り実験スタート。
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日付:2007年
小咄:
2004年9月8日に北海道を通過した台風第18号は、道内に多くの被害をもたらしました。市内では中島公園や北大のポプラ並木、支笏湖道路の植林したエリアなど、至る所で倒木が起こりました。ここ苫小牧研究林の木々も、特に人工林の多くが風倒木被害にあったそうです。
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2022.6.17@苫小牧研究林
倒木被害が起こったエリアは、せっかくなので程度を分けながら表土を剥ぎ、どうやって植物が戻ってくるかを見るために植生遷移の進行度を測る実験エリアを設けたそうです。苫小牧研究林は、遥か昔に起こった樽前火山の降下軽石が堆積した上に表土があるため、表土がはぎ取られたエリアは軽石だらけになっていました。
表土の剥ぎ取り方の程度を2段回に分け、さらに転圧(地固め)したエリアなどを用意して観察を続けているそうで、15年ほど経過した現在も植物は戻ってないとのことで、私たちはそこに木々が茂るまで見届けることができないでしょうと、いつまで続けられるのかチャレンジングな実験だと、中村林長から詳しくご説明いただきました。
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表土はぎ取り(転圧)実験エリア 2022.6.17@苫小牧研究林
「広島には75年間は草木も生えないだろう」といわれましたが、数年後に芽吹いた草木を見た人々は、生きる勇気と希望を持ったと言う話は有名ですが、森が戻らないことが隣り合わせで暮らす私たち人間社会に与える影響も少なくありません。表土を剥ぐということで、およそ3,000年前の樽前山の大噴火や、1667年の大噴火後の状況があたかも表出したようなタイムマシンを目にしているかのうようで、人とは異なる森の大きな時間スケールを感じることができました。
場所:
#苫小牧市
関係者:
#タイプ:出来事_SIDE-B
#2007年